【日本株】日本製鉄の1Q決算について
8月4日に日本製鉄の1Q決算が発表された。
内容的には米国子会社のUSスチールの業績が急回復し、日本製鉄全体でも上方修正を伴ったV字回復となっている。
堅調な発表となった日本製鉄1Q決算を振り返りたい。
【決算の概要について】
売上収益は前年比+40.4%、純利益は黒字転換の753億円、通期純利益は上方修正され2,900億円となった。
一番大きい変化はUSスチールが稼ぎ頭になったことだろう。
日本製鉄全体の実力ベースの事業利益(1Q)1,084億円の内、約322億円をUSスチールが稼いでいる。USスチールの通期事業利益に見通しを1,000億円から1,800億円へ大幅に上方修正。米国内の鋼材市況の回復、日鉄からの技術者派遣によるコスト削減・操業改善、高炉再稼働の効果が顕在化している。グループの稼ぎ頭に変化した。
一方で、国内事業は円安や中東情勢によるコスト増の影響により、弱含みとなった。
今回の決算で明確になったが、国内事業の弱含みをUSスチール等の海外事業がカバーし、海外軸の成長ストーリーが具体化し構造転換の兆しが出始めている。通期上方修正の幅が大きく、純利益の上方修正幅は市場予想を超えてきており、達成確度は高まっている。
市場は素直に好反応を示しており、決算発表後から8%前後株価が上昇している。
【まとめ 〜中長期的に成長が期待できる状況〜】
日本製鉄の場合、米国やインド、欧州に投資を進めており海外重視の投資姿勢が明確である。業績はその成否に依存している状況である。その為、特段言及することは少ない。
今回の決算では市場が半信半疑であった、USスチールに復活の兆しが出てきたことが大きいだろう。最も懸念されていた事項に成果が出て、最大の課題が解消に向かっている状況は素直に良いことである。
また、面白いのはインド事業の投資成果が今年以降に順次出始めることである。中長期的に投資妙味がある銘柄と言え、ホールドしていく方針である。
ただし、注意事項として、鉄鋼需要は波が大きいこと、財務的に債務が多いことや米国の通商政策の変化がリスクとして挙げられる。特に米国は現在はトランプ政権による保護主義的な政策によって鉄鋼市況が維持されている側面があるので、今後変化が無いか注意を払う必要はあるだろう。
