【ドル円・日本株】NASDAQとSOXが急落、市場は利上げを織り込む
6月6日(金)にNASDAQが約4%、SOXが約10%急落した。
直前に発表された米国雇用統計の結果が予想外に強く、市場は年内の利上げを織り込んだ結果、グロース寄りのセクターが売られたようだ。
【半導体・AI関連銘柄は調整局面を迎えるか】
半導体・AI関連銘柄の株価はここ1年、特に4月以降に短期間で急激に上昇していた。
4月以降、NASDAQは20%以上、日経半導体インデックスは70%近く上昇している。その間にTOPIXは10%程度の上昇に限られ、一部の銘柄に資金が集中している状況である。
AIを導入している企業は増えており、高度なものではサイバーセキュリティ、軍事、研究開発に使用され、一般の会社員でも面接、資料作成や情報収集に欠かせなくなってきている。AIは社会的なインフラになりつつある。
やや古い資料にはなるが、総務省の情報通信白書令和7年度版によると、2030年にはAI市場規模は現在の2.5倍になる見込みである。当時よりもデータセンターや半導体の需要が加速していることを考えると、半導体・AI関連銘柄は今後も堅調に業績を伸ばす可能性が高いだろう。
問題は株価がどこまで織り込むかである。例えば、日経半導体インデックスは既に1年前から3〜4倍まで上昇している。銘柄によってはPERが30〜40倍以上になっているものもあり、既にかなり市場規模の拡大を織り込んでいる。期待以上の成長が無かったり、金利上昇等の金融環境悪化があれば株価が大幅下落してもおかしくない状況であり、今後も株価が乱高下することは大いに考えられる。注意が必要だろう。
【イラン情勢とその影響は徐々に緩和される可能性】
半導体銘柄に資金が集中している原因の一つにイラン情勢があるだろう。半導体やAIは原油等の資源、地政学的な影響を受けにくい。
筆者は米国とイランの双方に終戦するインセンティブがあり、長期戦する余力が無く、米国の地上軍が派遣されていない状況から、簡単では無いが終戦の方向に動いていくと考えている。
そして、世界各国はイラン情勢の影響を最小限にしようと奔走しており、徐々に悪影響は緩和されつつある。
例えば、6月3日のロイター通信によると、アジア向けナフサ価格が7月後半渡し分で急落(過去最高値から40%下落)している。UAEが代替ルートを確立しアジア向けのナフサ輸出を再開した為である。もし今後、ナフサ輸出が堅調に維持されるのであれば、日本でもナフサ関連の報道は息を潜めていくだろう。
イラン情勢とその影響が緩和されていくのであれば、今まで影響を受けていた景気敏感株、内需株、等のバリュー株に資金が循環していく可能性はある。
【日銀による年内利上げの可能性は高くはない】
直近の雇用統計の結果を受けて、市場はFRBによる年内利上げを織り込みつつある。ECBは6月での利上げの公算が大きくなってきている。
イラン情勢次第のところはあるが、各国の金利政策と現在のドル円160円前後の状況を加味すると、いかに高市政権が利上げに否定的であっても利上げ圧力は高まることだろう。
ただし、一方で日本のCPIは4月で前年比1.4%で下落傾向である。拙速な利上げは国内経済を一気に悪化させる可能性があり、慎重な判断が求められる。イラン情勢が解決し国内経済や投資家心理が上向いたとしても、イラン情勢解決により若干円高になる可能性もあるので直ちに利上げになるとは考えにくい。
【まとめ】
筆者としてはバリュー株に資金が循環してくるのを待つ局面である。期待して待つしかなく、淡々と投資を続けるのみである。
ちなみに、筆者は最近、日本製鉄に注目しており少額ではあるが徐々に投資を進めている。
USスチールへの投資で財務が悪化しており、イラン情勢でトヨタ等の主要取引先の業績が不透明になっていることもあり、株価は年始から20%弱下落している。
一方で、日本製鉄が集中投資している北米ではデータセンターや発電所、住宅関連による粗鋼需要が増大してきており、昨年11月では26年ぶりに日本の需要を上回っている。今後は造船や軍事にも鉄が必要になる上、日本製鉄は元々技術力が高い会社であり、鉄鉱山にも投資しておりサプライチェーン構築による安定供給にも強みがあり、きっとUSスチールへの投資は実を結ぶと考えるのである。今後成長が見込まれるインドにも集中投資していることも魅力的である。
日本製鉄は今後が楽しみな企業であり、PER13倍は程度、PBRは0.5程度であり、昨今の株高を考えるとバリュー性が高まっていると考えるのである。
今後も各種報道に注視しつつ、慎重に投資を続けていく予定である。
