【ドル円・日本株】双日、住友化学、沖縄電力への投資を振り返る
年初に注目銘柄として挙げていた双日、住友化学、沖縄電力に株価と業績見通しがどうだろうか。筆者は実際にこれらの会社に投資しており、一定の成果(もちろん含み損も)が得られた。基本的に中長期的な投資を前提としているので、まだ売却はしていない。年初から国外では米国によるベネズエラ攻撃、イラン攻撃と紛争が続き、国内でも2月に衆院選挙が行われ、高市政権が圧勝する等、投資環境は徐々に変化してきている。
今回は年初に挙げた注目銘柄の株価状況と業績見通しを考え、今後の戦略を考えていきたい。
※尚、これらの銘柄への投資時期は年初よりやや遡る。
【①双日】
株価は年初から約25%上昇しており、直近の決算でも市場の反応は悪くなく、安定した業績見通しと増配方針(年間180へ増配方針)は好感を持てる。日経平均株価をアウトパフォームしている。
双日は石炭の権益を持っているが非資源分野への投資を続けており、資源からの脱却をいち早く掲げた大手商社である。事業のポートフォリオは分散化されており、イラン戦争の影響も軽微のようだ。
PER、PBRは5大商社や豊田通商と比べても割安で、配当性向もまだまだ余裕のある水準である。
追い風なのは経済安全保障を重視している高市政権が直近の衆院選で圧勝したことと、経済安全保障を意識せざる得ない国際情勢だろう。双日が投資を続けているレアアース関連は国策と重なるのでプラス要因である。
特に慌てて売却する状況ではないので、ホールドが妥当だろう。
懸念点は今月行われる米中首脳会談である。可能性として高くはないが、レアアースや経済安全保障分野で日本のハシゴを外されるような事態になれば、何らか株価に悪影響を及ぼす可能性はある。ただし、一時的に米中関係の緊張が緩和されたとしても、かつて日本が中国によるレアアース禁輸の影響で、レアアースの調達先を拡大したように、今回の中国による経済威圧による影響や余波もまた、長く続くと見るべきだろう。
【②住友化学】
株価は年初来13.5%上昇し、日経平均株価指数とほぼ同水準である。
子会社の住友ファーマの業績が好調で、iPS細胞関連の医薬品が厚労省に承認されている。半導体関連や農薬、医薬品に強みがあり、石油化学からの脱却を進めていたこともあり、株価的にはイラン戦争の影響は軽微である。明確には今月発表の決算で示されるだろう。
株価水準は大手化学メーカーで共通している傾向だが、PBRが依然1を下回っており、割安の水準である。半導体や再生医療に強みがあることで、今後の成長性を市場が見直せばまだまだ株価上昇余地はあると考える。業績回復による配当の上昇も期待値の一つである。
そのため、ホールドが妥当だろう。
懸念点はイラン戦争である。原油の上昇がどの程度業績に影響を与えているかは、今月発表の決算で明らかになる。
【③沖縄電力】
株価は年初来15.8%下落しており、日経平均株価を大幅にアンダーパフォームしている。直近の決算でも今期見通しを未定としている。電力株はイラン戦争による原油価格高騰にるネガティブなインパクトを最も受けるセクターの一つである。
筆者も含み損状態なので、損切りするか迷うところだが、当面ホールドの予定である。
理由はいくつかある。
- イラン戦争の収束期待:イランも米国も大きな余裕はない状況。仮にホルムズ海峡が再び開放される事態になれば現在の原油高、円安は逆回転する可能性が高い。
- 既に原油価格は上昇しており、戦争の長期化も市場は折り込み始めている状況であること。
- 石炭価格の推移:沖縄電力の主要な燃料は石炭である。石炭価格はイラン戦争後も落ち着いており、2022年の高騰時に比較すると業績への影響は軽微と考えられること。
- 電気料金への転嫁:2023年3月期の大幅赤字の際に電気料金の上限を大幅に引き上げており、その時の前提原油価格、LNG価格、石炭価格と比較してもまだ距離があること。
- 増配期待:イラン戦争の影響がどの程度になるのかによるが、沖縄電力はリカバリー期間後は期間前の配当水準へ戻すとしている。自己資本比率は目標の25%を超えているので、イラン戦争の影響次第では増配見通しによる株価上昇が見込めること。
- 原油価格下落期待:現在原油価格へ地政学的なリスクプレミアムが大幅に乗っている状態である。当然イラン戦争が収束すると逆回転することになるが、UAEがOPEC等から離脱し増産を目指していることから、イラン戦争後はより原油価格の下落に拍車がかかる可能性はあるだろう。
やや楽観的に思えるかもしれない。
最大のリスクはやはりイラン戦争である。長期化や激化すると業績への影響は避けられないことになる。また、米国を始めとする中東以外の原油調達先の供給量にも不安が残る。原油の代替調達先に供給に不安が広がれば、原油価格等はさらに上昇することになる。仮に石炭価格まで急上昇する事態になれば、第2の経営危機になるかもしれず、そうなれば損切りに迷っている状況では無くなるだろう。
【まとめ】
いかがだろうか。色々と書いたが、やはり今年の最大のイベントはイラン戦争である。
日経平均株価は年初から上昇が続いていたが、イラン戦争によって急降下しその後半導体関連を中心に上昇している。
イラン戦争の行方、トランプ関税還付の行方と影響、米中首脳会談、日銀の利上げ姿勢が焦点になってくるだろう。
今後も中長期的な目線を基本に、柔軟な対応を考えていきたい。
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