【ドル円・日本株】米国雇用統計の結果とドル円のシナリオについて
先週金曜日に米国雇用統計が発表された。結果は非農業部門雇用者数が急回復し、市場予想を上回る結果となった。
今回は米国雇用統計の結果を分析し、今後の投資判断を考えていきたい。
米国雇用統計の結果
発表された雇用統計の結果を振り返っておこう。
- 非農業部門雇用者数:+16.5万人(予想+5.5万人)
失業率:4.1%(予想に一致)
平均時給(前月比):0.3%(予想に一致)
平均時給(前年比):3.1%(予想3.0%)
非農業部門雇用者数が急回復しており、平均時給も市場予想を上回っている。
しかも、6月と7月の改定値も合計+5.5万人上方修正されており、米国景気の底堅さを示す内容である。
この結果から、直ちにFRBによる利上げ判断がなされるとは思えないが、ジャクソンホール会議でのウォーシュ議長の発言等を加味すると、近々利上げがあったもおかしくは無いだろう。
実際、この結果を受けて市場の9月利上げ予想は若干上昇している。少なくとも利下げの可能性はかなり遠のいたと考えるべきだろう。
ただし、ウォーシュ氏はトランプ大統領によって選ばれた議長であり、中間選挙間近のこの時期に政治的圧力を無視して利上げを実施する可能性はそう高くないと考える。
ドル円の動向と今後の焦点について
雇用統計発表後、ドル円はやや円安に進み156円台になっている。
今回の雇用統計で米国景気の底堅さが確認されたため、この結果だけなら当面利下げの可能性は低く、ドル円も直ちに円高方向に進むとは考えにくだろう。
今後の焦点は物価統計に移る。主なイベントは以下の通りである。
- 9月10日:PPI発表
9月11日:CPI発表
9月15日〜16日:FOMC
9月17日〜18日:日銀会合
特にCPIは重要である。如何にトランプ政権が利下げを求めたとしても、CPIは米国景気の底堅さを裏付ける結果になった場合は、利下げは困難だろう。
また、9月の日銀の利上げは市場からほぼ織り込まれている。利上げしたとしても驚きは皆無だろう。今後の焦点はターミナルレートが1.75%を超えてくるかどうかである。
高市政権の利上げに対する消極性を考えると、恐らく景気次第、物価次第として明確な道筋を示さない可能性が高い。逆に、今度の会合で2%を超える大幅な利上げ姿勢を日銀が示した場合は、かなりの波乱要因である。
ドル円の動向は、やはりFRBの動向が重要になってくる。日銀は既に利上げサイクルになっていて折り込みが進んでいる上にCPIがそこまで高くないので、利上げ幅に限りがある状況である。
仮に米国のCPIが予想よりかなり低く、利下げ観測が高まるようであれば円高が一気に進む可能性はある。その場合は株価高も伴うので若干複雑な状況である。一方で、米国雇用統計の結果から、このシナリオはサブとして考えておくべきだろう。
保有銘柄への影響度
米国雇用統計の双日、住友化学、日本製鉄への影響度だが、今回はほぼ無風である。
これはFRBが金利を据え置き、日銀が利上げする前提での無風である。
雇用統計や物価統計が堅調であれば、それは米国景気の底堅さを示すものである。景気サイクルが穏やかな上昇局面であれば、このままホールドしていて問題ない判断である。特に日本製鉄はUSスチールが稼ぎ頭になっておりので、米国景気に敏感である。
警戒すべきは大幅な景気後退、急激かつ大幅な円高である。
9月はイベントが目白押しなので、今後も動向を注視していきたい。
