日銀利上げ決定、円高は加速するのか
日銀が本日の金融政策決定会合で利上げを決定した。また、国債購入額を減少させるという。今年は年末にかけて円高を予想しているが、このタイミングで日銀が利上げするのは予想外である。市場は9月の利上げを予想していた。今回の利上げにより、思いの外円高が加速する可能性が出てきた。
本日のFOMCの結果、今後の米国経済統計によっては一気に円高に進む可能性があり注意が必要だ。今回は日米の経済関係のスケジュールを確認しておきたい。
筆者の従前の予想、円高シナリオについては下記記事も参照されたい
【日米の主な経済指標スケジュールと円高の進行幅を考える】
- FOMC結果発表(8月1日午前3時)
- 米国ADP雇用者数7月(7月31日)
- 米国雇用統計7月(8月2日)
- 米国CPI7月(8月14日)
- 米国小売売上高7月(8月15日)
- 日本CPI7月(8月22日)
特に、直近のFOMCと雇用統計に要注目である。結果次第で米国の利下げが強く意識された場合は円高が加速する可能性が高い。どの程度の水準まで円高が進むのか予想を立てるのは難しいところだが、結局のところ雇用統計次第になりそうだ。既に悪化傾向にある失業率がさらに悪化しその度合いが加速したなら、利下げ幅が大きくなることが意識されるだろう。
昨年12月にFRB理事の発言を契機に米国の利下げが意識されると、一時141円まで円高になった。この時は日銀の利上げまでは意識されていなかった。現在、日銀が利上げしているし、今後FRBが利下げの意欲を示して、さらに雇用統計が悪化した場合は年内に130円台突入も考えられる。
【年内の再利上げはあり得るのか】
日米金利差、両国の経済指標及びドル円次第ではあるが、もう1回程度の利上げはあってもおかしくはない。2%以上の物価上昇が続いている為である。
ただし、8月から3ヶ月間政府のエネルギー関係の補助金が復活することと今回の利上げで一旦日本のCPIは落ちつく可能性がある。また、米国側の状況によりかなり円高が進んだ場合は利上げの必要性が低くなる。
いずれにしても経済指標次第だろう。今後の経済関連スケジュールに要注意だ。
【円高時の銘柄選択】
今回の利上げ決定で、今までの円安が巻き戻される確度は高まったと言えるだろう。個人投資家としては俄然円高メリット株への意識が高まるところだ。
小売業、空運業、輸入業種等、恩恵を受ける業界は多い。その中でも筆者は空運株に注目している。今月、ANAとJALの第一四半期決算が発表されているので、今後の記事で深掘りしていきたい。