【ドル円・日本株】衆院選の結果と市場の行方
2月8日に投開票された衆院選は、何と自民党が316議席を得るという衝撃的な結果出会った。自民党が単独で衆議院の3分の2議席に到達するという憲政史上初の事態である。
さすがにここまで自民党が圧勝するとは誰も考えていなかったのではないか。市場も織り込んでいなかったと思われる。現に日経平均株価は選挙後に6%程度上昇している。
今回は高市政権圧勝の結果に対する市場の反応を考え、今後の市場の動きを考えていきたい。
【日経平均株価の動きと期待できる個別銘柄】
日経平均は2月6日の終値54,140円から57,650円まで上昇している。
恐らく、事前の報道各社による情勢調査等から市場は与党連立政権の勝利、それも自民党の単独過半数もある程度織り込んでいたのではないか。特に前回の参院選で比較的精緻な情勢調査を出した朝日新聞の自民党300議席超の調査結果等により、織り込みが進んでいったと思われる。
結果は自民党単独で3分の2を超える議席数である。この議席数は参院の少数与党を打ち消すことが可能である。市場もここまでの自民党圧勝は織り込んでおらず、高市政権による政策実行の期待感から株価は上昇している状況である。
ちなみに日経平均株価のPERは20.5まで上昇している。NYダウとDAXが25程度なので、日本の経済成長が欧米並みと市場に織り込まれた場合は、現在から後20%程度は上昇余地があると考えてもおかしくはないだろう。その場合、日経平均株価は7万円弱まで上昇することになる。
高市政権の政策実現性がかなり高まっているので、期待感から日経平均株価の上昇傾向は続いたとしてもおかしくはないだろう。
個別銘柄はどうだろうか。やはり、今回の衆院選の結果から高市政権が重視する重点17分野への投資への実現性はかなり高まったと言える。半導体、AI関連、防衛、レアアース(重要鉱物)、造船、創薬、エネルギー安全保障等、期待感が高まってくるだろう。また、日本のCPIは落ち着き始めており、賃金上昇が続くのであれば実質賃金プラスも有り得る状況である。そうなれば、内需株等にも恩恵があるだろう。
【ドル円の動き】
ドル円は8日の157円台から11日には153円台まで下落している。つまり、円高が進行している。通常、日経平均株価はドル円と同じ方向性で動くことが多いが今回は逆である。
理由はいくつか考えられるが、最も大きな理由は自民党が単独で3分の2を超える議席を獲得した上、連立政権を維持していることだろう。つまり、極端な話野党の意見に耳を傾ける必要は無くなった為である。
これまでの円安要因でよく語られた高市政権の「責任ある積極財政」に市場が疑念を抱いている、というのは選挙結果に対する債権市場の反応から半ば否定されている。結局のところ、投資に積極的で緊縮財政に否定的な与党と恒久的な消費減税や財政拡張に積極的な野党が組み合わさった少数与党の状況に市場は懸念を抱いていたということになる。また、仮に円安が危機的な状況に陥ったとしても、強い与党がスピード感を持って対応が出来るというのも大きいだろう。
また、もう一つの大きな要因は米国の姿勢である。トランプ大統領は衆院選前に高市首相を支持する異例の対応を取った。結果が分かった後も祝意を発信している。さらに選挙後にベッセント財務長官が「日本が強ければ、米国もアジアで強くなる」とかなり前のめりな歓迎発言をしており、1月23日には当局によるレートチェックを公表している。
対中政策や交渉で日本が強い味方であるのは米国にとって心強いのではないか。様々な思惑があるにせよ、日本に強固な保守政権が誕生したことをトランプ政権は歓迎している。そもそも行き過ぎた円安は日米政府双方にとって都合が悪い。市場が日本政府だけでなく、米国政府の動向も気にしないといけない状況になりつつある。
既に日米金利差は2019年の水準まで戻ってきており、日銀は利上げ基調である。高市政権が極端な財政拡張を取らない限り、円高傾向が続いたとしてもおかしくはないだろう。ただし、今後の国際情勢や高市政権の経済財政政策によっては再び円安が進行する可能性も否定できず、注意が必要である。
【まとめ】
高市政権は安定した政権基盤を手に入れた。政策実現性が高まったので、高市政権の公約に沿った銘柄は上昇しやすいと言えるだろう。また、高市政権の経済財政政策は少なくとも株式市場には歓迎されており、日経平均株価の上昇傾向が継続する可能性は高い。
為替市場も、少なくとも極端な円安に振れる可能性は低くなったと言える。穏やかな円高が見込まれるのであれば、内需株等にも恩恵があるだろう。
今後も状況を注視していきたい。
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