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【日本株】TOKYOBASEの2025年1月期通期予想について

yuta8068@gmail.com

以前より注目しているTOKYOBASEだが、先日1月の売り上げ月次速報が公表された。
これで25年1月期の売り上げ月次が全て出揃ったことになる。来月には本決算があり、現時点で会社予想は市場コンセンサスを上回っており、やや強気である。

今回は公表されている売り上げ速報を元に、会社予想が果たして達成されているのか考察し、今後の投資判断に役立てていきたい。

先月に同様の考察を実施しているので、興味のある方はそちらの記事も参照されたい。

【会社予想について】

改めて会社予想を確認しておこう。

  • 売上高:200億円
  • 営業利益:16億円
  • 経常利益:14億円
  • 当期利益:7.5億円
  • EPS:16.3

以上が3Q終了時点での会社予想である。
3Q終了時点での経常利益の進捗率は47.7%だったが、会社は予想を据え置いている。据え置いたことは一見強気に思えるが、前期も同時期で進捗率53%、最終的に102%で着地しているので案外妥当である。

ただし、前年3Q比で進捗率が低めで推移しているのでハードルはやや高い。会社予想に到達しなかった場合は失望感から決算後に売られる可能性もあり、会社予想に到達するかどうか、考えていく必要がある。

また、仮に会社予想に到達してもEPSは16.3円であり、PER20倍でも理論上株価は320円程度にしかならない。現時点での株価341円から、会社が目指す東証プライム残留に必要な株価にはまだ100円以上開きが残るので、26年1月期の予想も非常に重要になる。その辺りも考えていく必要がある。

【月次売上速報と会社予想の達成確度】

結論、会社予想の達成確度は高まっていると考えられる。(営業利益ベース)

月次売上速報は通期では前年比99.1%である。
その為、25年1月期売上高は198億円と予想できる。売上高は会社予想には及ばない。

重要なのはここからどの程度利益が出ているかである。
前回の記事では営業利益率ベースで考えていたが、別の見方で考えてみる。4Qでは中国の店舗をさらに1店舗退店、国内店舗を2店舗退店しており、販管費の削減されていたり中国事業の四半期での黒字化等、複雑な要因が絡むためである。

シンプルに3Q決算短信の情報から考えてみると、
営業利益=売上総利益ー販売費及び一般管理費(以下、販管費)、である。
売上総利益率は52.4%(前年同期比2.5%上昇)で、販管費比率は47.6%(前年同期比0.3%上昇)である。そして、売上総利益は前年同期比0.7%減少である一方で、販管費は前年同期比4.8%減少である。4Q終了時点での店舗数は3Q終了時点とほぼ一緒であるので、この傾向がほぼ変わらないと考えられ、収益化に向けた構造改革が上手くいっている可能性が高い。

4Qは例年最も営業利益率が高く、今期の秋冬は例年通りの寒さであり、前期の暖冬と比較してもコート類等の高額商品が売れている可能性が高い(これは月次売上速報でも言及されている)。その為、売上総利益率は3Q時点から横ばいか、やや上昇していると考えられる。今期4Qの売上が前年同期比11.3%と一気に上昇したことやセールを抑制していることを考慮すると、通期で52.5%程度はあるだろう。

販管費は4Q退店の影響と出店がほとんど無かったことを考慮し、3Q同様の傾向が続いていたと考えるのが妥当だろう。

以上から、売上総利益は100〜104億円、販管費は87〜94億円と予想できる。
結果、営業利益は6〜17億円と予想できる。幅があるが、上述の通り、利益率の最も高い4Qに売上が大幅に伸びており3Q時点で営業利益が6.44億円であること、販管費は前期の91億円を下回る可能性が極めて高い状況なので、個人的には営業利益は会社予想に到達する確度が高まっていると考える。

営業利益が会社予想に到達するならば、その他の項目も達成している可能性が高くなる。

※前回記事同様に4Qの国内事業の売上と営業利益率、中国事業が4Q単独黒字化し赤字幅が3Q時点での2.99億円で横ばいという前提で算出すると、通期の営業利益は約13.6億円となった。会社予想と2.4億円程度ギャップがあることに注意が必要である。ただし、この数字でも現時点でのコンセンサス予想を上回っている。中国事業が4Qで利益を出していた場合は、予想外に最終利益が上振れする可能性がある。

【まとめ】

TOKYOBASEの25年1月期決算は会社予想に着地する確度が高まっている。及ばなかったとしても現時点でのコンセンサスは超えてくる可能性が高い。

決算内容、特に中国事業が4Q単独で黒字化しているか要注目である。仮に黒字化していれば通期の黒字化が見えてくる。ここ数年、業績と株価の足枷になっていた中国事業の赤字が解消されれば、26年1月期は営業利益20億円も目指せる位置にいる。

短期的な株価の判断は難しいところだが、中長期的には成長が見込めると考える。

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青髭
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会社員、個人投資家
日本個別株に投資を続ける個人投資家です。本業が会社員のため限られた時間でしっかり成績を残し、本業に支障がきたさない事を念頭に投資を続けています。 経済、金融、投資に関する適切な情報発信を心掛けていきます。
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