経済金融

【ドル円・日本株】トランプ関税発動とその影響、自動車関連株の今後

yuta8068@gmail.com

トランプ政権は4月3日から全ての輸入自動車に25%の関税を課すと発表した。

日本の主幹産業である自動車産業は大きな影響を受ける。さらにトランプ大統領は相互関税や輸入医薬品にも関税を課すとしている。

今回は発動が直前に迫った自動車関税とその影響、自動車関連株の今後を考えていきたい。

【自動車関税25%の日本経済、自動車産業へのインパクト】

以前の記事でも紹介しているが、仮に日本からの自動車輸出を全て失った場合は実質GDPが0.4%程度押し下げられる可能性がある。2025年の日本の経済成長率は1〜1.5%とされているので、概ね3分の1程度の経済成長が失われる計算である。それなりのインパクトである。素人ながら、以下計算している記事なので参照されたい。

一方で、冷静に考えると日本からの自動車輸出が全て失われるとは考えにくい。なぜなら日本車は高性能だからである。例えば、米国の非営利団体「コンシュマーズ・ユニオン」が実施した33万台を対象にした大規模調査で、故障しにくい自動車ブランドTOP10の内、実に6ブランドが日本のメーカーである。(ちなみに、1位はレクサス、2位はトヨタであり、米国のメーカーは1社も無い)
そして、日本の自動車各社はハイブリット車を得意としており、これはトランプ政権が推し進める化石燃料の活用と親和性が高い。
そもそも、日本での製造と輸出は人件費等を考えると高コストである。その為、自動車各社は海外での製造割合が大きい現状がある。つまり、日本からの輸出品は元々高付加価値品である可能性が高く、関税が深刻な影響を与えるかは不透明である。

また、今回の自動車関税はメキシコやカナダに拠点を持つGMやフォード等の米国企業も大打撃を受ける。トランプ政権の意図は米国内産業の活性化とそれに伴う財政赤字縮小であり、米国企業(グローバル企業)の救済でないことは徐々に明らかになってきている。トランプ大統領は自動車各社に値上げしないよう圧力をかけているが、それは利益の大幅な縮小を意味し、持続可能な手立てではない。(野村證券の試算では、GMは利益の90%減、フォードは30%減である)

関税による大きな打撃は避けられないが、日本への関税がメキシコやカナダ、EU等よりも高いわけではない。競争する環境と条件が同じであれば、日本の自動車メーカーは商品力という利点がある。北米での自動車全体の売上が低下するなど、業界全体から影響は避けることはできないが、日本車の優位性は揺らがないだろう。

関税が課せれたとしても、突然に米国内で自動車工場を建設することはできない。これは日本以外も同様である。その為、輸出が急にゼロになるとは考えにくく、思いの外マイナスの影響は少ない可能性はあるだろう。

【まとめ 〜自動車関連銘柄への影響を考える〜】

トランプ政権は今のところ、自動車に対しては今回の関税発動が最後としている。4月以降での交渉の可能性も示唆している。関税の影響と織り込みは現在が最大である可能性が高い。

また、米国の経済指標は今のところ堅調である。日本経済も実質賃金のマイナスが続いているが、GDP成長率自体は堅調である。ベッセント財務長官の言うように、関税による価格転嫁が一時的であるならば、経済活動に大きなマイナスは生じない可能性はある。

トヨタの株価は年始から10%程度低下しているが、仮に日米両国の景気後退が回避され、関税自体か関税の影響を減じる政策(減税や規制緩和等)が発表されれば、反転してもおかしくは無いだろう。ただし、日銀の追加利上げに向けた基本姿勢や米国経済が過熱しにくい状況を考えれば、ドル円は基本的には穏やかな円高方向である。また、関税による影響が過大評価されていたとしても、それは関税賦課前からの利潤上乗せを意味しない。従って、自動車関連銘柄を筆頭とする輸出関連銘柄の上値の重さは続く可能性は高く、投資判断には慎重を期す必要があるだろう。

【関連記事】

ABOUT ME
青髭
青髭
会社員、個人投資家
日本個別株に投資を続ける個人投資家です。本業が会社員のため限られた時間でしっかり成績を残し、本業に支障がきたさない事を念頭に投資を続けています。 経済、金融、投資に関する適切な情報発信を心掛けていきます。
記事URLをコピーしました