【日本株】TOKYOBASE(3415)の株価上昇は続くのか
年初に今年の注目銘柄に挙げていたTOKYOBASEだが、株価は年初来68%上昇している。第一四半期決算、好調な月次売上速報を経て株価上昇が続いており、近年に無い動きを見せている。
株価の上昇は短期的には様々思惑が考えられるが、中長期的にはやはり業績が重要である。TOKYO BASEは来月に第二四半期決算を控える。
今回はTOKYO BASEの株価がこのまま上昇傾向が継続するのか、個人的な業績予想を踏まえながら考えていきたい。
【TOKYOBASE(3415)について】
TOKYOBASEは純国産、国内ブランドにこだわるアパレルブランドである。創業者が社長を務めており、今期から長年足枷になっていた海外事業が黒字化した。
売上の9割近くが国内で占めており、積極的に海外展開を進めている。既に中国、香港、米国(ニューヨーク)に出店しており、今年に入り韓国に出店していた。また、インバウンドにも力を入れ始めている。
初任給40万円、全社員の正社員化を進める等人材への投資に積極的で、自社製品を純国産にこだわる点でユニークな企業である。
【足元の業績】
第一四半期決算を振り返ると、売上高、営業利益、経常利益、当期利益の全てが前年を上回る増収増益となっている。前期に3億円近く赤字を出していた海外事業が1Q時点で黒字化していることは、大きな変化である。
毎月発表の月次売上速報も7月分までで、9ヶ月連続で前年を上回っている。
株価も好調な足元の業績を反映して上昇している。近年は決算の度に株価急落を繰り返していた銘柄だけに、今までに動きを見せており、ホルダーによってはある意味戸惑いを感じている方もいることだろう。
【第二四半期決算予想について】
決算予想は難しいところだが、2Qの月次売上速報が1Qからさらに加速していることを加味しつつ、1Qの傾向が続いている前提で考えてみる。上半期の個人的予想は以下の通りであり。
- 売上高:101.4億円
- 営業利益:7.71億円
- 経常利益:6.5億円
利益については1Qの利益率を参考にしている。特に経常利益は1Q同様に前期比での円高により為替差損が発生する可能性があることを考慮した。
上記の予想は海外事業が利益を出していない(赤字を解消しただけ)前提での予想である。
株価的にも期待値が上がっており、売上、利益ともに前年を上回ることは織り込み済みであろう。海外事業で利益が出ているかが鍵となるが、こちらは予想が非常に難しい。
上記の予想通りであっても、営業利益だけ見ても会社計画に対する進捗率は47.4%と前期から大幅に改善することになる。市場がどのような判断を下すかは予想が難しい。
【株価の行方を考える】
月次売上速報について、前期は3Qまで前年割れを引き起こしていた。今期は新規出店に加えて既存店の売上も好調なので、少なくとも3Qまでは前年を上回る売上が発表され、恐らく2Q決算も上述の通り堅調と予想できるので、短期的には業績面が株価を下支えする展開が続くのではないか。
TOKYO BASE等のアパレル業界は下期偏重(というより4Q偏重)型であり、これはコート類等の高単価・高付加価値商品が秋冬に販売される為である。TOKYOBASEも例に漏れず、前期は4Qだけで営利8億円となっている。仮に今期4Qも前年と同程度の営利だったとしても、上記の上半期決算予想が概ね正しければ、最終的には通期18億円〜20億円程度の営利に到達する可能性が高い。
重要なポイントは二つある。一つ目は、来月の2Q決算で海外事業で利益が出ていること、二つ目は11月以降の月次売上速報で既存店売上が前年を上回るかどうかである。
この二つのポイントクリアした場合、中長期的に業績の上振れが予想できるので、株価的にも期待値が高まることが考えられる。
【まとめ 〜今後の株価上昇は業績次第〜】
株価の行方は業績次第のところがあり、予想が難しい。
既に年初来で株価が大幅に上昇しており、ここからの株価上昇の為には期待値通りの数字を決算等で出し続ける必要がある。細かく数字を追っていく必要があるだろう。
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