経済金融

【ドル円・日本株】高市政権の政策と有利なセクター

yuta8068@gmail.com

1月10日に高市首相が衆院解散を通常国会冒頭で実施するとの報道が出てきた。日経先物は大幅高、ドル円も上昇している。

高市氏への高い支持率を背景に自民党の善戦が予想されているが、高市政権の経済政策をもとに比較的有利なセクターを考えていきたい。

【高市政権が重視する分野】

2025年11月21日高市政権は補正予算を閣議決定した。総額は17.7兆円であった。また、高市政権は重点投資対象17分野を公表している。それぞれ確認しておこう。

  • 重点17分野:AI・半導体、造船、量子、合成生物学・バイオ、航空・宇宙、デジタルサイバーセキュリティ、コンテンツ(ゲーム、アニメ等)、フードテック、資源・エネルギー安全保障・GX、創薬・先端医療、核融合、マテリアル(重要鉱物、部素材)、港湾ロジスティクス、防衛産業、情報通信、海洋
  • 補正予算で投資された項目:農業生産、エネルギー(原発、核融合、再生可能エネルギー、GX)、AI・半導体、量子、バイオ、航空・宇宙、造船への集中投資、重要物資サプライチェーン、半導体装置、AI基盤、量子技術、防災、創薬DX、防衛力強化

重点投資17分野に関しては今後の予算編成等で優遇される可能性が高いが、そもそも17分野は裾野が広く、関連も含めると多くの産業が該当することになる。

直近の限られた補正予算で投資がなされた分野は、より高市政権が重要視している分野或いは現時点で優先度の高い分野と言えるだろう。

【有利なセクター、分野】

有利なセクターをいくつか考えてみる。

  • AI・半導体:国際的にもトレンドになっており、堅調に推移することが考えられる。ただし、AIを開発している米国大手企業のPERは既に高止まりしており、関連企業も含め割高になっていないか注意が必要である。その中で、素材、化学のセクターは比較的株価の上昇が限られており、まだ投資妙味があると考える。
  • 航空、宇宙、造船、防衛:代表的な企業に三菱重工や川崎重工が挙げられる。造船中堅の名村造船等もある。既に昨年の高市政権発足時に注目された銘柄であり、既に割安水準でないことに注意を要する。
  • 重要鉱物サプライチェーン、マテリアル、エネルギー安全保障:非鉄金属、大手商社、鉱業等が当てはまるだろう。これらのセクターも既に上昇しているが、PERやPBRで見た時にまだ上昇余地があると言えるだろう。資源価格は石炭や原油のように低空飛行しているものもあるが、全体的に上昇傾向である。今後、オーストラリア中銀が利上げに動く可能性が高く、他の主要中銀も徐々に利下げ中止、利上げ再開に動く可能性がある。利上げは当然インフレ懸念を背景にしたものだが、国際的にややインフレに傾くのであればコモディティ価格は全体的に上昇する可能性が高いだろう。日本も含め、金融引き締めしているにも関わらず世界的には財政拡大しており、下値を支える可能性がある。また、国家安全保障の観点からレアアースの安定供給や関連技術への投資は増加が見込めるだろう。米国のナヴァロ上級顧問は中国のレアアース支配を技術革新で終わらせるとしている。既に日本を含めた同盟5カ国と米国は「パックスシリカ宣言」を公表しており、これらの動きに沿った投資は実行される可能性が高い。
  • 銀行:ドル円水準や経済状況にもよるが、インフレが続くのであれば日銀は利上げせざるを得ない。米国もCPI次第だが利下げ余地は限られると市場は考えるだろうし、既に欧州は利下げ終了、オーストラリアやカナダは利上げ再開の可能性が高まっている。日銀は今年1〜2回程度は利上げする可能性が高いと市場から見做されているが、逆にしなかった場合は円安が加速することになる。状況にもよるが円安拡大が懸念された場合は2回以上の利上げも考えられるだろう。円高に傾く場合はその逆である。
  • 金融:日経平均はさらに上昇を続ける可能性が高い。

ちなみに政府が集中投資したからといって具体的な成果や業績向上が確実に見込めるわけではないので注意が必要である。やはり、これらの中でも個別銘柄の割安さや適正水準であるかを考えていく必要があるだろう。

【まとめ】

衆院解散の確度と高市政権の勝算が高まるほど、日経平均株価に追い風が吹く可能性が高い。多くの分野で恩恵を受ける可能性が高まるだろう。

ただし、個別銘柄については常に割安さや適正水準を考えていく必要がある。また、内需企業や小型株はさほど恩恵が無い可能性がある。中国関係も要注意である。

今後も各種報道に注視していきたい。

※追記
仮に世界の中銀が利下げ停止、利上げ再開となった場合にどの程度まで利上げを織り込むかという問題は生じるだろう。日銀は既に年1〜2回程度のペースで利上げが織り込まれており、他国が同程度の利上げ範囲であれば中長期的に円高が進む可能性はあるだろう。既に日米金利差は縮小しており、金利差の拡大余地がさほど無いことになる為である。
コロナ後の爆発的な消費は落ち着き、当時の利上げ局面とは異なる。金融引き締めを実施するとしてもその余地は限られるのではないか。また、日本の長期金利が2%を超える上昇を続けており、徐々に円キャリーの巻き戻しが発生するかもしれない。
もし円高に振れた場合は、円高メリット株、内需銘柄が選好されることになるだろう。

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青髭
青髭
会社員、個人投資家
日本個別株に投資を続ける個人投資家です。本業が会社員のため限られた時間でしっかり成績を残し、本業に支障がきたさない事を念頭に投資を続けています。 経済、金融、投資に関する適切な情報発信を心掛けていきます。
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