【日本株】経済成長が続くインドと関連銘柄を考える
インドの高い経済成長が続いている。インド政府の発表によると今年1〜3月期のGDP成長率は7.4%と主要国では最高水準となる見通しである。2024年度の実質GDP成長率も6.5%と中国を超える水準である。
今回は、高成長が続くインドとその成長を業績に取り込む可能性のある関連銘柄を考えていきたい。
【高い成長率と今後の可能性】
前述の通り、インドは高い経済成長が続いておりBRICsの中で最も高く、このまま行けば今年日本のGDPを超える可能性がある。(IMFの予測)
インドは14億人の人口と若い平均年齢(28歳、日本は48歳)に経済成長が支えられている。また、様々な社会的な問題を抱えているとは言え資本主義、民主主義と三権分立が成立しており日欧米に近い政治経済体制である。現在米国と関税交渉を抱えているが、この先大きな問題が無ければ安定的な分配を伴った経済成長が見込める国である。
また、一人当たりのGDPもここ数年で急上昇しているが、それでも2480ドルである。これは日本の10分の1以下、中国の5分の1程度であり、その分まだまだ伸びしろがあると言える。
インドはヒンドゥー教が最大派であり、日本とは大きく文化が異なる国である。その為、インドに進出する企業はインド文化や社会構造に配慮する難しさがあるが、企業にとってはそれを上回るビジネスチャンスがある国である。
【インド関連銘柄】
いくつか関連銘柄を考えていきたい。今後の経済成長に確実に関係して、文化的な差異にあまり関係が無い銘柄を考えてみる。また、インドはナショナリズムがそれなりに高い国であり、外交も独自路線である。その為、インドの国策をあまり刺激しない銘柄選択も重要になる。
- 関西ペイント:国内最大手級塗料メーカー。インドの売上高は日本と比肩している。インド市場では自動車塗料で高いシェアを誇る。インドの塗料市場の拡大予測はインドの経済成長をやや上回る水準か同程度であり、塗料は幅広い工業製品に必要な為、インド経済発展を業績に反映させやすい。また、欧州市場での売り上げが近年上昇していることもポイントである。欧州はドイツが財政出動に踏み切っており、トランプ政権との緊張が緩和された場合、堅調な経済成長が見込まれる。
- 黒崎播磨:耐火物大手。日本製鉄子会社。インドの売上高が年々上昇している。インドでの工場新設等、設備投資が進んでいる。インドの年間一人当たりの鉄使用量は主要国の4分の1〜5分の1程度であり、今後大きな需要拡大が見込める。親会社の日本製鉄もインドに積極的に投資をしている。ただし、売上の半分以上は国内が占めるため、国内の自動車産業の行方に業績が左右される部分に注意が必要である。
近年株価下落基調にあった黒崎播磨の方がやや投資妙味がありそうである。特に、日米関税交渉がまとまり、国内自動車産業の業績懸念が払拭された場合はさらに業績が改善する可能性がある。
いずれも海外売上比率の大きい会社である。その為、円高に振れた場合は業績の下押し圧力になる為注意が必要である。
【まとめ】
インドは今後も高い経済成長が見込める国である。
一方で中国やパキスタンと外交問題を抱えており、国内でも貧困や格差等の様々な問題を抱えている。
まだまだ発展途上の国であり、投資先として魅力的なのは確かである。今後もインド経済やインドに投資を続ける企業を注視していきたい。