資産運用

【日本株】2025年の注目銘柄を考える(2銘柄)

yuta8068@gmail.com

いよいよ2025年の東証が6日から取引開始する。今年の展望はどうだろうか。
筆者は日本株と日本経済については相対的に強くなると考えているが、その中でも今回は有望銘柄について検討していきたい。

筆者の今年の予想は過去の記事でもあるようにやや円高で内需株有望、インバウンド関連は堅調である。個人投資家として、ある程度予想と立てておき、実際の動きを確認するのは大変重要である。今まで触れていなかった銘柄を中心に考えていきたい。今回は個人的に注目している2銘柄を考察する。

【① TOKYOBASE(3415)】

アパレルブランド事業を展開、運営。セレクトショップ事業「STUDIOUS」や「UNITED TOKYO」や「PUBLIC TOKYO」等の自社ブランドを展開、運営している。昨年新卒の初年給を月給40万円(月80時間の固定残業代を含む)まで引き上げで話題になり、応募者が増加しているという。日本を中心に、中国本土、香港、米国に出店している。

株価は昨年末時点で332円である。有望に思う点と注意点を列挙していく。

<有望に思う点>

  • 長らく赤字を垂れ流していた中国事業が昨年11月に単月営業黒字となる。
  • 経営者が強力(創業者かつ41歳と若い)。その為良くも悪くも、経営に対し率直で動きが早い。
  • 商品が高品質。自社ブランドは全て日本製かつ原価率50%で、セレクトショップでは東京発のブランドを取り扱っている。素材の品質は良く、他社製品と比較しても価格自体は若干高めだがコスパは非常に良いと感じる。
  • 事業の拡大時期に入っており、新たなブランドの立ち上げ、出店、M&A、新たな海外展開を実施予定。(尚、CFは営業CF+、投資CF−、財務CF+)
  • 京都三条や渋谷の店舗ではインバウンド割合が50%を超えており、日本製を全面に出しているのでインバウンドに強い。
  • 給与を引き上げ、入社応募者が増加。(その分人件費も増加)
  • 転職サイト等の総合点数は高め。成果主義の会社の為賛否両論あるが、社員の士気は高めである。
  • 連続増配予定。

<注意点>

  • 東証プライム市場の上場維持基準を満たしていない。不適合項目(流通株式時価総額)を考慮すると理論上、2026年1月末までに株価457円を超える必要がある。現在から約40%増である。このまま不適合となった場合、決算説明資料によると上場廃止かスタンダード市場へ審査を経て移行となる。一方で、株価上昇に向けて様々な施策を打つ可能性はある。
  • 中〜高価格帯のブランドで路面店を海外に大規模進出した日本のアパレルブランドは今まで無かった為、今後成功するかは未知数。
  • 中国経済の低迷が続いており、影響を受ける可能性がある。
  • PERは15.88、PBRが3.21と割安では無い。

TOKYOBASEは利益のほとんどを国内事業で賄っており、自社ブランド製品は純国産であるため為替の影響を受けにくい。また、インバウンドの売り上げが向上している点は今後の追い風になりそうである。

【② ワシントンホテル(4691)】

全国にワシントンホテルプラザやR&Bホテルのブランドでビジネスホテル事業を運営している。藤田観光が運営している「ワシントンホテル」とは別会社なので注意が必要だ。昨今の訪日外国人増加の恩恵を受けやすい企業である。コロナ後に業績不振になり、現在は回復途上である。

株価は昨年末時点で812円である。有望に思う点と注意点を列挙していく。

<有望に思う点>

  • 2024年は訪日外国人旅行者数、インバウンド消費共に過去最高を更新。2025年はさらに増加する見込みである。
  • 日本政府が中国人向け観光ビザ緩和。中国側も短期ビザ免除を実施しており、日中関係の改善が進めば中国人旅行客の増加が見込める。ワシントンホテルも中国人旅行客はコロナ前の30%に止まっており、伸び代があると言える。(この件については賛否両論あり、日本全体にとって好ましいかは別として、観光業にはプラスだろう)
  • コロナ前の株価は1300円台で、現在のPERは7.77と割安である。EPSの回復がこのまま順調に行けば、コロナ前までの株価回復もあり得るだろう。
  • 客室単価はコロナ前を上回り、上昇を続けている。

<注意点>

  • 財務状況が思わしくなく、自己資本比率は回復しているが24.8%である。有利子負債は減少傾向にあるものの170億円もあり、営業利益10億円〜20億円規模の会社としては大きいと言える。
  • シンプルで低価格帯のサービスを提供しているが、それだけにライバルも多い。差別化やブランド化が難しい。
  • 業界全体の傾向だが、ビジネス利用はコロナ前に回復しておらず、回復の見込みが立たない。

ちなみに海外展開はしていない。

【まとめ】

自力かつ成長性を考えるとTOKYOBASEはやや有望である。自社開発ブランドを持つ点は強みだろう。この点は日本の強みである製造業に通じる部分がある。

インバウンド関連も有望である。コロナ後に業績や財務状況が完全回復していない企業はこれから本領発揮する可能性が高い。ただ、注意点としてこれらの企業は特段サービス自体に強みが有る訳でなく、どちらかというと外部環境ありきである。日本のソフトパワーが廃れない限りは堅調な業績が期待できるが、AI関連銘柄のようにトレンドに成るかは微妙である。

実際の投資判断は慎重に検討すべきだろう。

今後も具体的な銘柄を挙げて検討を続けていく予定である。

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青髭
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会社員、個人投資家
日本個別株に投資を続ける個人投資家です。本業が会社員のため限られた時間でしっかり成績を残し、本業に支障がきたさない事を念頭に投資を続けています。 経済、金融、投資に関する適切な情報発信を心掛けていきます。
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