経済金融

【ドル円・日本株】円高か円安か、日銀の利上げ観測について

yuta8068@gmail.com

9月のFOMC及び日銀の金融政策決定会合では、FRBは利下げ、日銀は変更なしとなった。FRBが利下げサイクルに入り、日銀は対照的に利上げサイクルに入っているが、ドル円は8月以降147円前後で方向感を欠く展開となっている。

果たしてドル円は円安か円高かどちらに向かうのか。今回は今後のドル円の方向感を簡単に考えていきたい。

【円高か円安か】

為替は様々な要因で決定される。簡単にだが、円高、円安それぞれの要因を考えてみる。

  • FRB利下げサイクル入り・・・円高要因。ただし、利下げの度合いは米国の物価、経済に左右される。
  • 日銀の基本姿勢・・・円高要因。基本的には植田総裁の発言や日銀の主な意見を確認すると日銀が考える中立金利に向けて、利上げする姿勢である。
  • トランプ関税・・・円安(利上げ防止)要因。ただし、自動車関税も15%で決定され、4月以降の利上げを阻んでいた程の経済的な影響は無いと考えられる。
  • 日本の物価・・・円高(利上げ)要因。2%以降で高止まりが続いている。コアCPI等を理由に利上げに懐疑的な論調も一部あるが、冷静に考えれば国民にとってはCPIが直面する物価なのであり、現在の物価上昇が続くのであれば、日銀は利上げせざるを得ないだろう。
  • 日本国内の政治的要因・・・イーブン。次期自民党総裁が誰になるのか、また、財政拡張的な野党の主張等によって為替が変動する可能性がある。ただし、日本国内の政策要因によって多少の変動はあるにせよ、仮に為替が政治的な要因に左右される状況ができるのであれば、後述(米国からの要求)の理由で大幅に円安になるような政策は誰が首相になったとしても困難と予想される。
  • 米国からの要求・・・円高要因。8月にベッセント財務長官が異例の「日銀の利上げ」を要求する発言を行った。日本政府としては、安全保障を米国に委ねている以上、何らか対応する可能性が高いだろう。ただし、あくまで日本政府も日銀も米国からは独立した存在なので、露骨な事はしにくいと思われる。米国からの要求は念頭にありつつも、別の利上げが出来る状況を整えて、利上げに踏み切る可能性が高いのではないか。あくまで個人的な憶測だが、トランプ政権の通商政策を考えると、トランプ関税の日米交渉妥結において、何らか為替に関する合意があったとしてもおかしくはないだろう。
  • ヘッジファンドのポジション・・・(どちらかと言えば)円安要因。投機筋はピークよりは低下しているものの、依然大幅な円買いポジションが続いている。このポジションが解消されることは円安要因となる。一方で、円高になりやすい環境が整いつつあることの証左とも言える。

上記を考えれば今後は円高になる可能性が高いと言えるだろう。日米両国の経済や物価状況に大きく左右されるので、随時各種指標の確認が必要である。

まとめ】

ドル円に影響を与える要因は様々だが、今後それらの要因が顕在化すると円高に振れやすい状況(極端な円安になりにくいとも言える)である。

急激な変動は考えにくいが、徐々に円高になるのであれば、銘柄選択が重要になってくるだろう。今後も為替の動向に注意していきたい。

ABOUT ME
青髭
青髭
会社員、個人投資家
日本個別株に投資を続ける個人投資家です。本業が会社員のため限られた時間でしっかり成績を残し、本業に支障がきたさない事を念頭に投資を続けています。 経済、金融、投資に関する適切な情報発信を心掛けていきます。
記事URLをコピーしました